8月1日に4回目の災害時施設運営管理者研修を大阪で開催しました。
この研修は過去の災害の知見に基づいて、公共施設での避難者対応のあり方を学ぶプログラムです。
最近は公共施設職員以外の参加者も多く見られます。
この日も福祉施設の関係者、大学生の参加者がいました。
遠く、九州から参加した方もいました。
午前中の講義では、受講者の皆さんは災害に関する基礎知識を学びました。
近年、日本では災害が多発していること。
少子高齢化に伴い支援や復興に携われる若者が少ないこと。
かつて避難所として機能していた学校体育館も学校の統廃合により減少していること。
また、日本の避難所は世界的に見てかなり環境が悪いことも学びました。
講義終了後、受講者からは「勉強になった」「初めて知ることばかりだった」という声以外に、「正直自信がなくなった」「できれば避難所運営をしたくない」等リアルな声が聞こえてきました。
昼休憩をはさみ午後の講義に入ると、受講者の皆さんは演習を解いていきます。
実際に自分が勤めている施設を前提に自分達がどれだけ災害時の備えができているのかを見直すのです。
演習の内容は大きく分けて、3つ。
1つ目は、ライフラインや管理運営体制など自分達の施設が避難者受け入れの実務がどれだけできているのかを見直すこと。
2つ目は、避難生活で重要な6つの指標に沿った避難所運営の実務の備えができているか見直すこと。
そして3つ目が、それらを踏まえて自分達で災害対応マニュアルを策定することです。
策定の際には皆さん頭を抱えることが多く、特に発災から1ヶ月後の状況をイメージできる人はなかなかいなかったようです。
演習終了後のディスカッションの時間では、受講者同士課題を共有し合い、同時に課題解決の方法を提案し合いました。
様々な業界で既に災害時のネットワーク、支援方法などのマニュアルはあるようですが、実際の災害時にはライフラインが機能するとは限らず、既存のマニュアルや認識だけで対応するのは難しいことがわかりました。
研修終了後は、緊張が解けて皆さん一気に話が盛り上がり、会場に残って受講者同士振り返りをしていました。